毒のある魚・危ない魚

毒のある魚・危ない魚 

※出典:厚生労働省ホームページほか
魚体や内臓類などに毒をもつ魚、毒はないけど注意したい魚類を集めました。特に釣りや磯遊びの際には、気をつけたいものです。

ただし、魚や貝類において、ここに記載していないものにも少なからず毒性のある種がたくさんありますし、記載した魚にすべて毒性があるとは限りません。その魚介類の棲息エリアによって大きく異なるケースもあります。毒のある部位を処理していれば問題ないもの。絶対に食べてはいけないものなど知識として役立ててください。

〈ヒスタミン中毒について〉※弱毒です
ヒスタミン中毒は、ヒスチジンを多く含むマグロ、カジキ、カツオ、サバ、イワシ、サンマ、ブリ、アジなどの赤身魚及びその加工品が主な原因食品として報告されています。
ヒスチジンにヒスタミン産生菌が付着し時間が経つとヒスタミン中毒を引き起こす可能性が高まります。
ヒスタミンは熱に強く、加工しても分解されません。ヒスタミンが増加しても味や臭いは変化しません。
症状:食べた直後から1時間以内に、顔面、特に口の周りや耳たぶが紅潮し、頭痛、じんましん、発熱などがあげられます。
1. 魚は素早く冷蔵してください
2.ヒスタミン産生菌はエラや消化管に多く存在するので、購入後できるだけ早く除去しましょう
3.口に入れたときに、くちびるや舌先に通常と異なる刺激を感じた場合は、食べずに処分しましょう

 

〈あ〉 〈か〉 〈さ〉 〈た〉  〈な  〈は〉 〈ま〉 〈わ〉 

アイゴ(スズキ目・アイゴ科) ※釣り注意 ※棘に毒
アイゴ
棘(背びれ・腹びれ・臀(しり)びれ)に毒があり、数時間から数週間痛む。刺した場合は、40~60℃の湯に患部を浸すと毒素のタンパク質が不活性化して痛みが軽減する。
魚が死んでも、毒性は消えないため要注意。釣りで持帰る場合は、釣り場ですべてのひれを切り、内臓をなるべく傷つけずに処理してからがよい。その際、処理物はその場では捨てないマナーも持ち合わせてください。(素手で魚を触るのは危険です)
肉が磯臭い場合もあるが、歯ごたえのある白身のため、刺身・洗い・塩焼き・煮付けなどで、西日本方面では、美味な魚として食されるところも多い。

アオブダイ(スズキ目ベラ亜目ブダイ科)  ※内臓猛毒
アオブダイはスナギンチャクを捕食するためパリトキシンという強力な毒成分を蓄えており、内臓を食べてはいけません。 パリトキシンは加熱や塩漬けでは分解されない。食中毒による死亡例がある。

アカエイ(トビエイ目アカエイ科) ※海水浴注意 ※しっぽの棘に毒
尾を含めた全長は最大で2m。尾は細長く鞭状で、背面に短い棘が並んでいる。中ほどの数-10cmほどの長い棘に毒腺があり、刺されると激痛に襲わる。数週間も痛みが続いたり、アレルギー体質の人はアナフィラキシーショックにより死亡することもある。棘には「返し」があるため刺さると抜き難い。刺された場合、毒を絞り、患部を水または湯で洗い流し、すぐに病院で治療を受けてください。死んでいても尾には注意してください。海水浴などで、砂地にいるエイを踏んでしまうケースもあります。海辺では、立て看板などの情報を入手するように。

アニサキス ※寄生虫 ※生食注意。
サバ、アジ、イカ、イワシ、サンマ、サケ、ホッケなどに寄生するアニサキスの幼虫による食中毒。アニサキスの幼虫は魚の内臓に多く寄生します。マサバに関しては、内臓以外の部位に寄生するケースが他の魚に比べ多い。市場に出回る魚にもアニサキスが寄生しているケースもあり、十分気をつけてください。
特に魚の内臓は生では食べないでください。できれば購入後すぐに内臓を取り除いてください。
2〜8時間後激しい腹痛・悪心・嘔吐(胃アニサキス症)、10時間以降の激しい腹痛・腹膜炎症状(腸アニサキス症)があるが、主は胃アニサキス症である。症状がでたら、速やかに医療機関を受診してください。 ※下痢はしないのが一般の食中毒と異なる。
アニサキス幼虫は、加熱(60℃で数秒、70℃以上で瞬時)および−20℃24時間冷凍で死滅する。
※調理をするとき、よく見ましょう。(部分的に色味が違うところは要注意)
※生食をする際は、よく噛んで食した方が、いいでしょう。(ただしアニサキスはゴムのようで、なかなか噛み切れないそうで、効果はあまり期待できないかも)
※イカなどは、切れ目を細かく入れることで、殺虫できる可能性があります。(イカは内臓+身にも棲息する可能性が高いため)
※料理で使用する酢・ワサビ・醤油等では、アニサキスは死滅しません。
※死んだアニサキスは、大丈夫です。

アワビ類 
アワビ類(クロアワビ、エゾアワビ、メガイ、トコブシなどのミミガイ科の巻貝)。 サザエも弱いながら有毒。2月から5月の春先のアワビの中腸腺(ウロ、ツノワタ、トチリと呼ばれている)のみが有毒である。
摂取して1~2日で、顔面、手、指に発赤、はれ、疼痛などが引き起こされる。 やけど様の水泡が現れ化膿することもある。死亡することはない。
春先のアワビ類の中腸腺は摂取しない。 無毒の中腸腺の色は灰緑色ないし緑褐色、有毒な中腸腺の色は濃緑黒色であるので、中腸腺の色で区別可能である。


イシガキダイ ※弱毒
毒成分:シガトキシン(シガテラ毒)および類縁化合物。毒部位:筋肉(内臓は不明)
主症状は神経症状であるドライアイスセンセーション(温度感覚の異常)、掻痒、四肢の痛みで、筋肉痛、関節痛、頭痛、めまい、脱力、排尿障害などもある。また、消化器系症状(下痢、嘔吐、腹痛、悪心等)や循環器系症状(不整脈、血圧低下、徐脈等)も呈することがある。神経症状は、軽症では1週間程度で治まるが、重症な場合では数ヶ月から1年以上継続することがある。死亡例は極めて稀である。

イシナギ ※肝臓に毒あり
モロコなどと呼ばれるため、はた科のクエなどとも混同されやすいが、イシナギは、スズキ目スズキ科イシナギ属に属し、日本ではオオクチイシナギを指すことが多い。
肉は美味であり、刺身・フライ・煮付けなどで食用されるが、肝臓は食品衛生法により食用禁止措置がとられている。 肝臓には大量のビタミンAが含まれており、摂食により急性のビタミンA過剰症(食中毒)をおこすおそれがある。症状は、「激しい頭痛、嘔吐、発熱」等であり、食後30分~12時間程度で発症する。

イモガイ ※猛毒
毒成分:コノトキシンと呼ばれる神経毒。<※貝を見つけても絶対に触ってはいけません>
イモガイは貝殻の色や模様が美しく、また美しいサンゴ礁の周辺や砂浜などにいることが多い。皮膚に密着させていたりすると外敵とみなされて毒銛で刺され、死に至るケースがある。イモガイ1個体に含まれる毒は、およそ30人分の致死量に相当するといわれている。房総半島以南、日本海側では能登半島以南など、黒潮や対馬暖流などの暖流の影響の強い地域に棲息。南西諸島を抱える沖縄県や鹿児島県は種類が多く、特に沖縄県では約110種を数える。種類によって毒性は異なる。

イッテンフエダイ ※強毒
毒成分:シガトキシン(シガテラ毒)および類縁化合物。毒部位:筋肉、内臓
主症状は神経症状であるドライアイスセンセーション(温度感覚の異常)、掻痒、四肢の痛みで、筋肉痛、関節痛、頭痛、めまい、脱力、排尿障害などがある。また、消化器系症状(下痢、嘔吐、腹痛、悪心等)や循環器系症状(不整脈、血圧低下、徐脈等)も呈することがある。神経症状は、軽症では1週間程度で治まるが、重症な場合では数ヶ月から1年以上継続することがある。死亡例は極めて稀である。

イラモ(クラゲの仲間) ※触注意。
茶色の海藻の塊のような姿をしたイラモは、強力な刺胞毒をもつクラゲの仲間。直径10 cm程度の群体で岩の上などに生えていることが多く、アサガオの花のような形をした個々のポリプは直径5 mmほど。紀伊半島以南の浅瀬の岩の上に棲息。
直接皮膚に触れたときには、チクッとした痛みを感じ、その後水疱ができ、かゆみが1週間程度続く。広い範囲を刺されたときや、皮膚の弱いところに刺されたときには、ひどく痛むとともに発熱(38度以上)や大きな腫れを生じることもあり、完治するまでに長い日数を要することもある。

うなぎなど(うなぎ・あなご・うつぼ・ハモ) ※血に毒あり
ウナギの血液を大量に飲んだ場合、下痢、嘔吐、皮膚の発疹、チアノーゼ、無気力症、不整脈、衰弱、感覚異常、麻痺、呼吸困難が引き起こされ、死亡することもある。しかし、この毒(イクチオヘモトキシン)は100kDaのタンパク質で、60℃で5分以上加熱すれば変性して毒性を失う。

ウミケムシ(環形動物門ウミケムシ科) ※触注意。

体の側部に体毛を持ち、警戒すると毛を立てる。この体毛が毒針となっており、素手で触れると刺されることがある。刺されると痛痒くなり、毒針を抜いても毒は残る。腫れと痛みが1日ほど続き、痒みは数週間とれないこともある。
本州中部以南、比較的暖かい海を好み、京都府の宮津湾辺りにも多い。山形県で発見された例もある。
投げ釣りで、釣れることもある。

オウギガニ ※猛毒・ウモレオウギガニ・ツブヒラアシオウギガニ

ウモレオウギガニ(写真)は、カニの部類の中では最強の毒性を持つ。オウギガニは、主に鹿児島県以南に棲息。死亡例もあり。

オゴノリの生食(自身で採取したもの) ※猛毒
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オゴノリ(近似種含む)は、刺身のツマでおなじみですが、生食の場合非常に危険です。オゴノリそのものには毒はないと言われていますが、オゴノリの酵素と魚の脂質が合わさるとプロスタグランジンという猛毒に変化、あるいは付着したプランクトンによる毒素という説もあり、明確化はされていないが、食中毒を引き起こす可能性がある。お店で売られているお刺身のツマのオゴノリは、石灰水で酵素を取り除いているため安全。特に女性が重篤化し、死亡する例もある。
オゴノリは、日本中の海岸に棲息している。必ず湯通しする必要があります。

オニカサゴ ※触注意

棘(背鰭、腹鰭、臀鰭の棘条と鰓蓋)(背鰭12本、腹鰭1本、臀鰭3本)に毒があり、刺されるとかなりの激痛が続く。
万が一刺さった場合は、ぬるま湯に漬けると毒の成分であるタンパク質が、変質し固まり体内に毒が回るのを防ぎます。(ハオコゼやエイ、ゴンズイなども同様)
オニカサゴの棘を除去する場合は、ペンチで切った棘の拡散を防ぐために、なるべく顔を近づけず、水の中で処理するように。

オニカマス ※猛毒

毒成分:シガトキシン(シガテラ毒)および類縁化合物。毒部位:筋肉、内臓
主症状は神経症状であるドライアイスセンセーション(温度感覚の異常)、掻痒、四肢の痛みで、筋肉痛、関節痛、頭痛、めまい、脱力、排尿障害などもある。また、消化器系症状(下痢、嘔吐、腹痛、悪心等)や循環器系症状(不整脈、血圧低下、徐脈等)も呈することがある。神経症状は、軽症では1週間程度で治まるが、重症な場合では数ヶ月から1年以上継続することがある。死亡例は極めて稀である。

オニダルマオコゼ ※猛毒
背鰭の棘条は毒腺と連続し、強力な神経毒がある。
サンゴ礁など浅い海に生息。小笠原諸島・奄美大島・沖縄周辺に分布。オニオコゼ亜科はすべて背鰭に毒腺をもつが、オニダルマオコゼは特に毒性が強く、刺されると死亡することもある。底にじっとしており、なおかつ岩と見違うほどの擬態のため、見分けるのは困難。スクーバダイビング等で誤って踏みつける可能性があるので、要注意。

オニヒトデ(オニヒトデ科) ※触危険
体表面には多数の有毒の棘が生えており、 これがヒトの皮膚に刺さると毒素によって激しい痛みを感じ、アナフィラキシーショックによって重症に陥ることがあり、最悪の場合、死に至ることがある。
刺された時の対応は、なるべく早く血液を吸引し、後に温湿布で患部を温めること。


貝毒
貝の毒化の原因は渦鞭毛藻など海水中の有毒プランクトンを捕食した貝が毒を蓄えるためです。
毒素は加熱により無毒化しません。アサリ、アカザラガイ、カキ、ホタテガイ、ムラサキイガイなどで、発生するケースが多いです。
毒性をもつプランクトンは4月ごろから5月ごろの期間に発生することが多く、都道府県の水産担当部局では、冬の終わりから海水中のプランクトンや貝の検査を行い、毒の量を検査し安全を確かめています。基準値は可食部1グラムあたりの毒力が麻痺性貝毒4MU、下痢性貝毒0.05MU以上になった場合で、出荷停止措置が執られます。

カツオノエボシ ※触猛毒
クダクラゲ目カツオノエボシ科に属す刺胞動物。猛毒をもち電気クラゲの別名があり、刺されると強烈に痛む。死亡例もある。1個体に見えるが多くのヒドロ虫が集まって形成された群体で一般のクラゲとは異なる。
日本では本州の太平洋湾岸でよく見られる。カツオが到来する頃海流に乗ってきて沿岸に漂着する場合もある。
触手は平均10m程度、長いもので約50m。触手が何らかの刺激を受けると、表面に並んでいる刺細胞から毒が含まれる刺胞が発射される。刺されると強烈な電撃を受けたかのような激痛が走り、時にはアナフィラキシーショックで死に至る危険がある。岸辺に打ち上げられたカツオノエボシも触れてはならない。刺された場合は、触手を取り除き、海水で洗い流す。(砂でもんだり、酢や真水で洗い流しは逆効果。アカクラゲやアンドンクラゲの対処法とは異なる。)

ガンガゼ ※触危険
ガンガゼ目・ガンガゼ科に属するウニの一種で、棘に毒がある。ムラサキウニの棘の長いイメージ。他のウニに比べ、棘が長く鋭いため刺さると折れやすく皮膚に棘が残る場合がある。刺さると非常に痛む。
素手で触るのは、危険。

クドア・セプテンプンクタータ(寄生虫)
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主にヒラメの筋肉に寄生する。生で食べると食後数時間で一過性の下痢やおう吐などの症状が起きる。(症状は軽度)クドア・セプテンプンクタータによる食中毒は、夏(8~10月)に多く発生する。
マイナス20℃で4時間以上の冷凍、又は75℃5分以上の加熱で食中毒を防ぐことができる。

ナガズカ ※卵巣毒
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練り物として高価な魚です。すり身で、わらづかとして売られています。卵巣に毒があり、嘔吐、腹痛をもたらす。

ゴンズイ(ナマズ目) ※触注意

背びれと胸びれの第一棘条には毒があり、刺されると激痛に襲われる。魚が死んでも、毒性は消えない。
幼魚は、群れが巨大な団子状になるため「ゴンズイ玉」とも言われ、釣人は、要注意。

スベスベマンジュウガニ ※猛毒
日本では、千葉県から沖縄県までの岩礁海岸とサンゴ礁の潮干帯から水深100mまでに生息。磯場でも見かけることがある。体色は赤褐色から紫褐色。灰白色の斑紋があり、鋏の先は黒い。地域によって毒性は異なるが、フグ毒や麻痺性貝毒が、検出されており、致死量を超える毒性がある。

ソウシハギ(フグ目カワハギ科ウスバハギ属) ※内臓猛毒
内臓には、致死量の毒(パリトキシン)があり、絶対に食さないこと。(沖縄などでは、内臓以外は毒がないため、刺身などで食されるケースもありますが、素人は、調理してはいけません。)
主に熱帯地方に棲息するが、近年瀬戸内海などでも発見されている。

通称「ツブ」(エゾバイ科の貝類) ※食注意
エゾバイ科の貝類は唾液腺(2つあり)にテトラミンという毒素があり、該当部位を正しく除去せず食べると食中毒を発症することもある。命に関わることはまずないが、交感神経刺激と運動神経末梢麻痺、酒に酔ったような症状、視力低下、散瞳、頻脈等を起こす場合がある。(人によって症状が出たり、出なかったりするようです) テトラミンは熱に強く、調理しても毒性は弱まらず、煮汁にも移行しますので、唾液腺を除去すること。

ツムギハゼ ※猛毒
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トラフグと同じテトロドトキシンを持つ。西日本以南に棲息。ハゼの仲間であるが、毒性はフグと同等で、致死率50〜60%と言われている。体長は15cm程度。見た目はフグよりもやはりハゼっぽい。潮溜まりなどにも棲息するため、決して捕獲しないこと。(皮膚にも毒がある)


ハオコゼ(カサゴ目ハオコゼ科) ※触注意
成魚は、10~12cm程度の魚。浅瀬の岩場、水草など障害物のある場所を好む。
背びれの棘に毒があり、釣人は、要注意。

ハコフグ ※地域によって
毒成分:パリトキシン様毒。
ハコフグは、筋肉、皮膚や内臓も無毒だが、パリトキシンという毒をもった生き物をハコフグが食べ、肝臓に毒が蓄積されていたことが原因で、同様のことがアオブダイやソウシハギでも知られている。
※フグ毒の心配はないハコフグですが、都道府県によっては、ふぐ調理師免許がないと調理できないのでご注意ください。

ハチ(カサゴ目フサカサゴ科ハチ属) ※触注意
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釣りでは、シロギスを狙う投げ釣りなどでときにかかる。相模湾以南とあるが、房総半島にも棲息が確認されている。最大サイズは20cm程度。
棘に毒があるため、釣り人は、要注意。

ハブクラゲ ※触手猛毒
沖縄・奄美に生息し、近海で最も危険なクラゲである。死亡例もあり。
刺されると激痛、ミミズ腫れになる。6時間ほど経つとミミズ腫れは水疱に変わり、12時間後には壊死を引き起こす。重症の場合だと、意識障害や呼吸困難、心停止に至ることもある。
見た目は、毒のない普通のクラゲのようだが、泳ぐ速度も速く光りに寄ってくるので夜は特に注意が必要である。
刺された場合は、即座に医療機関へ。

バラハタ(ハタ科バラハタ属) ※強毒
毒成分:シガトキシン(シガテラ毒)および類縁化合物。毒部位:筋肉、内臓
主症状は神経症状であるドライアイスセンセーション(温度感覚の異常)、掻痒、四肢の痛みで、筋肉痛、関節痛、頭痛、めまい、脱力、排尿障害などもある。また、消化器系症状(下痢、嘔吐、腹痛、悪心等)や循環器系症状(不整脈、血圧低下、徐脈等)も呈することがある。神経症状は、軽症では1週間程度で治まるが、重症な場合では数ヶ月から1年以上継続することがある。死亡例は極めて稀である。

バラフエダイ ※弱毒
毒成分:シガトキシン(シガテラ毒)および類縁化合物。毒部位:筋肉、内臓
主症状は神経症状であるドライアイスセンセーション(温度感覚の異常)、掻痒、四肢の痛みで、筋肉痛、関節痛、頭痛、めまい、脱力、排尿障害などもある。また、消化器系症状(下痢、嘔吐、腹痛、悪心等)や循環器系症状(不整脈、血圧低下、徐脈等)も呈することがある。神経症状は、軽症では1週間程度で治まるが、重症な場合では数ヶ月から1年以上継続することがある。死亡例は極めて稀である。

ヒトデ類 ※弱毒
多くのヒトデ類には、サポニンという弱い毒を持っています。「キヒトデ」 は、九州の一部では塩ゆでにして食するところもあります。
ただし、モミジガイやトゲモミジガイには、フグと同様「テトロドトキシン」という毒が体内にあり、危険です。
オニヒトデは多数の有毒の棘が生えているため、触ってはいけません。

ヒョウモンダコ(マダコ亜目マダコ科ヒョウモンダコ属) ※猛毒
体長は10cmほどの小型。豹の紋柄が、名前の由来で、唾液に猛毒のテトロドトキシンを含む。噛まれると呼吸困難に繋がる麻痺を引き起こし、酸素不足から心停止に至る。※絶対に触ってはいけません。

フグ類 ※猛毒

写真:クサフグ・キタマクラ・ヒガンフグ
フグの判別は素人では難しい上、食用可能な部位はフグの種類によって異なるので、素人判断や素人によるふぐの取扱い、調理は危険である。以下の表は厚生労働省より転載。
※すべてのフグ共通:肝臓・卵巣・腸は食べられません。
※ヒガンフグとアカメフグは、食用部位が異なりますので、注意が必要です。(ヒガンフグをアカメと呼ぶ地方もありますがヒガンフグとアカメフグは、別種です)
部位
肝臓
卵巣
精巣
筋肉
アカメフグ
×
×
×
×
カナフグ
×
×
×
カラス
×
×
×
クサフグ
×
×
×
×
×
クロサバフグ
×
×
×
ゴマフグ
×
×
×
×
コモンフグ
×
×
×
×
×
※岩手県越喜来湾、釜石湾、宮城県雄勝湾で漁獲されるコモンフグについては食用不可。
部位
肝臓
卵巣
精巣
筋肉
サンサイフグ
×
×
×
×
×
シマフグ
×
×
×
ショウサイフグ
×
×
×
×
シロサバフグ
×
×
×
ドクサバフグ
×
×
×
×
×
×
トラフグ
×
×
×
ナシフグ
×
×
×*
×
×*
×
※ナシフグは原則食用不可。ただし、筋肉は有明海、橘湾、香川県および岡山県の瀬戸内海で漁獲されたものに限り食用可。精巣は有明海および橘湾で漁獲され、長崎県が定める要領に基づき処理されたものに限り食用可。
部位
肝臓
卵巣
精巣
筋肉
ヒガンフグ
×
×
×
×
×
※岩手県越喜来湾、釜石湾、宮城県雄勝湾で漁獲されるヒガンフグについては食用不可。
部位
肝臓
卵巣
精巣
筋肉
マフグ
×
×
×
×
メフグ
×
×
×
×
ヨリトフグ
×
×
×

ホラ貝
ツブ貝同様に唾液腺にテトラミンという毒素がある場合もあり、該当部位を正しく除去せず食べると食中毒を発症することもある。
また、内臓にフグ毒と同様、テトロドトキシンがあるケースもあるらしい。
※スーパーなどで生きた状態で売っているのは、採取された海域の水質調査をして無毒と思われますが、自身で採取して食する場合には注意が必要です。

ミノカサゴ(カサゴ目フサカサゴ科) ※触注意・ダイビング注意
背鰭を中心に毒を持つ。腹鰭の間にある剣にも気を付けたい。夜行性で、昼間は珊瑚や岩場の影に潜んでいるため、手に触れてしまうこともあります。刺された場合、激痛を伴って患部が腫れあがります、人によってはめまい・吐き気を起こすこともあります。

ラパス貝(学名ダイオウスカシ貝)(スカシガイ科) ※要確認
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主に南米の産地の貝ですが、近年アワビの代用品として出回っているケースがあります。食べてから数十分で皮膚症状や呼吸困難が起こり、最悪の場合は生命にかかわる。気管支ぜんそくやアトピー性皮膚炎などのある人は、特に注意が必要です。KLHというタンパク質が原因の一つと考えられているようです。

妊婦への魚介類の摂食と水銀に関する注意
妊婦が注意すべき魚介類の種類とその摂食量(筋肉)の目安
1回約80gとして妊婦は2ヶ月に1回まで(1週間当たり10g程度):バンドウイルカ
1回約80gとして妊婦は2週間に1回まで(1週間当たり40g程度):コビレゴンドウ
1回約80gとして妊婦は週に1回まで(1週間当たり80g程度):キンメダイ、メカジキ、クロマグロ(本マグロ)、メバチ(メバチマグロ)、 エッチュウバイガイ、 ツチクジラ、 マッコウクジラ
1回約80gとして妊婦は週に2回まで(1週間当たり160g程度):キダイ、マカジキ、ユメカサゴ、ミナミマグロ、ヨシキリザメ、イシイルカ、クロムツ 魚介類の消費形態ごとの一般的な重量は、以下の通りです。
寿司、刺身 一貫又は一切れ当たり 15g程度
刺身 一人前当たり 80g程度
切り身 一切れ当たり 80g程度

釣りなどで、扱いに注意な魚や毒はないけれども気をつけたい魚など
スズキ(スズキ目・スズキ亜目・スズキ科) ※釣り注意
毒はありませんが、エラブタが非常に鋭利で、釣った際やさばく際、エラブタには触れないよう注意してください。

ダツ(ダツ目ダツ科) ※釣り・夜間ダイビング注意
光に敏感に反応し、突進する性質があります。暗夜にダツが生息する海域をライトで照らすと、ダツが突進してくることがあるので夜間の潜水はとくに注意が必要です。実際にダツが海面から飛び、船上にいた人に刺さって死傷する事故も起きています。また、顎も歯も鋭いので取り扱いには注意が必要です。日本各地に棲息します。